アドセンス2

2014年4月16日水曜日

【評/感想】高校生以外はみんなアホ、恋愛ディストピア『L・DK/ラブ同居』は剛力映画最高傑作



L・DK/ラブ同居』タイトルだけでも脳みそがとろけてしまいそうなこの映画を、わざわざ前売り券を購入し、公開初日に見に行ったのは他でもない2014年現在最もキテいるアイドル女優・剛力彩芽をスクリーンで見に行くためだ。(余談だが、AYAMENと名乗り剛力映画振興事業をやっています)

今女子中高生に一番人気の俳優・山崎賢人がツンデレ王子こと久我山柊聖を演じることもあり、休日の映画館は女子校状態!
制服女子、ジャージ女子たちが埋め尽くす桃源郷だ。しかし男一人の観客に対する彼女らの視線は中々辛辣で、性犯罪者を見るかのような目に私には思えてしまった。

だが、この映画の監督も私と同類のようだ。最初のカットから凄まじい犯罪臭。女子高生の足を盗撮風に舐めるように捉える。テレビ版『けいおん』も盗撮アニメと揶揄されたが、こちらの方はより生々しい。FC2動画にアップされていても違和感を感じないような性的なものだった。

ストーリーは40年前からあるような、学園イチのイケメンとの同居もの。古くは『イタズラなkiss』、『ママレードボーイ』などの人気マンガがあり、最近でも『ホタルノヒカリ』などと形を変え生き残り続けている鉄板ジャンルだ。

過去の名作に立ち向かうべくこの作品がアイデンティとしたことは、ただただ女子高生に受けることをやろうということでしょう。つまり、この作品は十代女子のユートピアを目指しているのです。

しかし、その実情はというと十代女子以外にとってはディストピア以外の何物でもない。たとえるなら、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』のラムの世界だ。

まず、この作品には大人は存在しないに等しい。剛力彩芽演じる西森葵の両親も、久我山柊聖の両親も顔すら出てこない。不可避的に出さなければならない教師は藤井隆が演じており、映画の誰よりも軽んじられる存在になっている。また、白石美帆演じる寮母ももう一人の大人として出演しているが、常に彼女らにとって良きことをしてくれる都合のいい人間だ。

今の女子高生の身も蓋もないリアルに圧倒されるのはまだ早い。青春映画にも関わらず、この映画からは部活動すら排除されている。
学校とは、男と出会い、恋愛に発展する場所以外の何物でもないのである。

この映画はそれだけ突き抜けているので、キャラクターたちもかなりヤバい。どのキャラクターたちも恋愛のことしか考えない。深刻な悩みも出てくるが、その原因も勿論恋愛。恋愛以外の要素は徹頭徹尾完全にゼロだ。

日常描写は基本的にはギャグ路線だ。完全に滑っている寒いギャグもあるものの、この映画らしさを際立てる久我山柊聖の「イケメンすぎる」ギャグのキレは素晴らしい。

初対面の女にいきなり半裸で接近したり、脈絡なくシーンが変わると剛力彩芽におんぶをさせていたり、河原の坂から剛力を突然蹴落としたり、サイコパス気味なイケメン具合が炸裂している。

本当に嫌味ではなく、このコメディ具合は素晴らしかった。

ただ、途中久我山柊聖の過去にまつわる話になると話は別だ。水野桜月(石橋杏奈)という元カノと過去に一悶着があって、彼女との約束のため、思いが重なりかけた剛力と付き合うことを柊聖はためらってしまう。
ドラマの雰囲気が一挙シリアスになったはいいが、彼の過去自体に全く興味が持てないため物語の推進力が落ちてしまった印象を受けた。

しかし、最後の盛り上げ方はさすがLDKといった力技を見せてくれた。剛力と柊聖は七夕に花火大会に行く約束をしていたが、柊聖は逃亡。2枚のチケットが無駄にならない為にも、友人の渋谷萌(岡本玲)は近所に住んでいるイケメン大学生・三条さんを誘うようにけしかける。

当日、剛力は三条さんと花火大会へ。

しかし!渋谷萌のお節介さは、ここから本領発揮する。消息不明になっていた、柊聖を見つけ出し、「剛力のところに行きなさい!」とけしかけるのだった。そして、ハッピーエンドへ

いろいろ言いたくなることはあるが、恋愛脳っぽい話の運び方で逆に良かったとすら今は思ってしまう。

繰り返すが、本当にこの映画は面白い。すごく面白いという訳ではないがクセになりそうなセンスが散りばめられている。
もし、嘘だと思うのならぜひ劇場へ行ってほしい。きっとあなたも、剛力彩芽の魅力に酔いしれてしまうことでしょう。



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