なんだよ、この出来は! どうしてまるちゃんが、大原櫻子のキラキラした歌にのせて、男と手を繋いで頬を染めてんだよ! ジャニーズ主演のスイーツ専用のラブコメ映画かよ!
いきなり文句を垂れても分からないだろうから、説明をすると、この映画はタイトルずばりなのだが、海外からホームステイに来た6人の少年少女と仲良くなる話で、まるちゃんはイタリア人の男の子を家に泊めることになって、その彼と上に書いたように西野カナのトリセツに出てきそうなイチャラブシーンを繰り広げるのだ。
まあ、まるちゃんだって、手を繋ぎたくなるかもしれないと、僕のちびまる子ちゃん像から批判するのはよしたとしても、作品の根幹たる外国人の描写があまりにもズサンすぎる。ブラジル人の女は、ひたすら絶叫して踊り狂ってるだけで、一言も人間的なセリフは喋らないし、インド人に至ってはコメディリリーフにもなってない、知恵おくれみたいなキャラクター。
それをさも、その国の民族性を投影しているかのように描いてるんだからたちが悪い。初めて、インドを知る子供が見に来て、インド人はキチガイしかいないのかと思って帰る映画を作るってどういうことよ。
ちびまる子ちゃんには、まる子が南の島に行って、現地の女の子と言葉が通じないもののジェスチャーを通して仲良くなる『まるちゃん南の島に行く』という号泣の名作エピソードがある。この映画よりよっぽど健全に国際交流してるお話だ。そういう前例があるだけにわざわざ劇場版を作る意味があったのか、甚だ謎だ。