アドセンス2

2013年9月26日木曜日

ヤンキー妄想映画? 「グッドフェローズ」



いまさら映画批評第二回、グッドフェローズです

実はグッドフェローズというのは邦題で、この映画原題は「good fellas」発音だとグッドフェラ、アレを想像してしまう為にフェローズに変えられています。fellaも男などを意味するので、そこまで意味は変わっていない比較的良邦題ですね。

男ならだれしも、一度はワルになりたいと思ったことがあるでしょう。
単にかっこ良く思えたり、正直者が馬鹿を見る現実を目の当たりにし手段を選ばない方法としてのワルだったり、金、権力、女を求めるが故であったり、理由は様々でしょう。

ギャングが支配する街に育った主人公ヘンリーヒルも同様にワルにあこがれを持ち、11歳でギャングの使いパシリとして働きはじめます。
そんな少年が、アホな!ときっと思うでしょう。しかし、ヘンリーは実際に存在し、彼の半生を忠実に映画化しているのです。

ヘンリーのキャラクターにはもう一人のモデルがいます。それこそ、監督のマーティンスコセッシです。
スコセッシはイタリア系アメリカン人でニューヨークのギャング街に生を受け、映画の中と同様にご近所さんがマフィアだったのです。

そんな社会で育ったスコセッシのワルにあこがれ、社会の矛盾に怒り、正義を考える様々な感情の葛藤が大きく物語りに反映されているのです。

物語自体はゴッドファーザーのようにマフィア映画の王道をいく、成り上がりと破滅を描いているのですが、グッドフェローズはマフィアをかっこ良く描かず、くだらないファミリーのルールに縛られた都会の中にいる、村社会の田舎者のように描いています。

ニューヨークにも関わらず、縄張りの関係でクイーンズという小さな街だけが舞台でほど近いマンハッタンは出てこなかったり。彼らの会合も常に同じパブ。外部の人間とつるむのは御法度で、バレたら消されてしまったり。
地元のヤンキーが居酒屋でだべってる延長線上のマフィア映画なのです。

この映画のもう一つのハイライトは音楽です。エンディングが愛しのレイラだったりと、、スコセッシならではのロックンロールが延々と流れています。
それは単に彼の趣味だけではなく、彼が撮ったウッドストックの対になる意味を持っているのだと思います。
セックス、ドラッグ、ロックンロールというように、ある時代までロックにはドラッグがつきものでした。
愛と平和の祭典の裏に、マフィアが取引するドラッグが存在していることを告発しています。

いまさら見ても名作です!

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