序
政治と人間の関係という問題は政治学にとっては根源的なテーマであるものの、「科学としての政治」の追求は人間の生死を左右する政治のヴァイタルな面を見失っている。
以下二つの問題を考える
①人間が政治の網の中にとりこまれる「政治化」がすすむ一方、同時に「政治的無関心」が拡大している政治状況の考察
②政治化と政治的無関心の共存という逆説を解きほぐす
これらは本来人間の産物であった政治が、人間を圧倒したがゆえの現象といえる。ジョンロックは人間の政治に対する優位を導く為に尽力した著作家であった。彼を手掛かりに求めることにする。
1政治化の時代
ⅰ政治化の進展
私たちに非政治的存在領域は残されていない。以下の三つの事例からうかがえる。
一つめは政治権力が統治しうる人間の範囲が無限に拡大したこと。我々は戸籍、税制を通じてあらゆることを公権力に把握されている。
二つ目は、政治権力が人間生活への浸透度合いが強まっていること。福祉によって我々が政治への依存が強まった。
三つ目は政治が文化活動に侵入し、自立性、純粋性を奪っていること。
このような現代はもっとも政治化の進んだ時代であることは疑い用がない。しかし、同時に政治的無関心も拡大している。
ⅱ政治的無関心の拡大
政治的無関心の要因
①政治的メカニズムの複雑化とそれによる疎外感
②社会の官僚制化、合理化とそれによる無関連感
③政治の醜悪さを知りすぎたため、政治を同じ世界と考えない
④マスメディアが興味を非政治的な対象に振り向けた
⑤多忙
2ジョンロックの政治思想
ⅰ政治の原イメージ
ロックにとって政治は「人間の生き方、運命の全面的な決定者」
静かな生活を送りたいロックの精神世界に暴力的に侵入してきたことによる。またそのような政治から自由になることは不可能→人間の政治に対する優位を目指す
ⅱ政治の不可避性と正統性
ロックはクリスチャンなので、人は神に義務をおっていると考えていた。「神は人間の間に秩序、政治社会、統治が存在することを欲せられた」とし、政治の不可避性も神の判断によるものとした。
そのため政治社会のあり方も、神の意思にかなうものではならないので、正統な政治社会の構想がはじまった。
ⅲプロパティ論
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