キアヌ・リーブス主演、長編映画初挑戦のカール・リンシュがメガホンをとる今作。
江戸時代中期に起こった、赤穂浪士による吉良義央襲撃事件を描く忠義の物語「忠臣蔵」を大胆にハリウッド映画化!
監督自身は「ロード・オブ・ザ・リング」+「グラディエーター」だと評したり、「この映画はクスリをキメた黒澤明だ!」なんて言ったりしている。
(http://www.slashfilm.com/director-carl-erik-rinsch-describes-47-ronin-as-kurosawa-on-meth-on-set-interview/http://www.slashfilm.com/director-carl-erik-rinsch-describes-47-ronin-as-kurosawa-on-meth-on-set-interview/)
たしかになるほど、いう感じの凄まじいトレーラーに惹かれて私は劇場にむかった。
余談だが、一部では「外人の間違った日本観www」とかいう風にバカにされてはいるけれど、外人もそんなに日本のことを誤解しているわけでもなく、IMDbの掲示板を見ると彼らもイロモノ映画だと分かっている。「日本には未だに忍者がいると外人は思っているwww」なんて日本人は言っているが、実際はそんなことなく、それらはむしろ日本をそういう風に見てもらいたいという裏返しでしかないでしょう。
むしろイロモノとわかった上で楽しむ「300」的映画でしょう。また多分「魔界転生」なんかも意識しているのかもしれない。(あとはパイレーツ・オブ・カビリアンなんかも本当はこの映画と意図はおんなじなはず。)
少なくとも後者の楽しみ方で見ようと思ったこの映画だが、強烈なビジュアルとは裏腹にかなり地味なのです。いや、確かに忠臣蔵には普通現れないであろう。
モンスターであったり、
ダース・ベイダーというかシルバーサムライ的なキャラが
出たりしているのにスケールが小さい。
例えばシルバーサムライ。こんな見た目にも関わらず戦い方は普通のチャンバラ。殺陣自体はまぁまぁなのだが、陳腐な撮影も相まって結構ショボい。
ちなみにこの場面はさながら魔界転生の江戸城炎上シーンのように見えるのだが、実際は野焼き。しかも、広大な土地を焼くのならまだしも、せいぜい半径50メートルくらいしか焼けていない。CGを駆使しているのにもかかわらず、小さく収まっている感が最も感じられるシーンの一つだ。
見せ場のキアヌ・リーブスVSモンスターも、暴れまくるモンスターをキアヌがぶすっと一発打ち込むくらいなのでカタルシスがない。
総評的に述べればビジュアルの壮大さと、バトルのリアリティが全く異なっているのです。
さらにアクションでの最大の欠点は、侍映画であるのにもかかわらずフィーチャーされる対人戦がないのだ。対人戦が地味だからモンスターを出そうとなったことは分からないでもないが、この映画を見にくる人の一番期待する場面ってCGを駆使した超絶チャンバラだと私は思うんだよね。
まぁそれはあくまで忠臣蔵という物語を描きたかったという点もあるかもしれない。
それだけに、ツイッターなどで意見を見ていると「意外と忠臣蔵をしていてビックリ、割りといい映画だよ!」といった意見を目にする。
しかしだ!忠臣蔵という、仇討ちのストーリーはどんなにぶっ壊してもその骨組みは残るだろ!と言いたい。殿が殺されて、怒った家臣が吉良義央をぶっ殺せば大体忠臣蔵となるだろ!
47roninは確かに忠臣蔵のストーリーをちゃんとやっているけれども、はっきり言ってプラスα的要素はほとんどないし、なんだか小学校の学芸会レベルでの忠臣蔵のストーリーを追いかけている具合にすぎないので、再現をしていることが評価に繋がるというレベルには達していない。
かなりdissったものの、菊地凛子の妖艶な演技や、浅野忠信演じる吉良義央のうわーこいつ超嫌なやつだわ〜的表情は素晴らしい!
あとラストの47人が一斉に切腹をするシーンなんかはかなりカッコいい。
普通に楽しむことができる映画であることも事実。
とにかくド派手な絵面は映画館で見るのをおすすめします。
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